手品を始められた方だけでなく、長年趣味でされている方からであってもよくされる質問があります。
この記事は、その一番よく聞かれる質問に、私なりのお答えをさせています。
ぜひご覧ください。
目次
一番よく聞かれる質問
手品を覚えようという方から、
「どれくらい練習したら手品は上達しますか?」
と必ずと言っていいほど、質問されます。
でも、この質問をされるほとんどの方が、
手品とジャグリングを勘違いしていることが多いです。


私は、この質問をされた方には、
まずこの勘違いに、気づいていただきたいために、

「練習しても上手くなりませんよ。」とお答えしています。
理解していただきたいこと
まず最初に、理解しておいていただきたいことが一つあります。
手品を見てくれているお客様にとって、「上手い」「下手」の基準が一体何なのかを理解していなければ、いくら練習しても上手くはなりません。
努力は裏切らないと言う言葉があります。この言葉そのものは間違っているとは言いませんが、誤解されて受け取られやすい言葉でもあります。
少し言葉を補足して表現し直すなら、
「正しい方向でなされた努力は裏切らない」
私はそう考えます。
努力は、量だけでなく、方向性もあると考えるのが今の考え方です。
つまり、「努力の方向」を間違っていたら、いくら努力をしても結果がついてこないと言うことです。
お客様から見た「上手い」「下手」の基準
これはすごくシンプルです。
「不思議に見えたか、見えなかったか」
この1点に限ります。
不思議に見えなければ「へたくそ」
不思議に見えれば「上手い」
となります。
練習しても上手くならない理由
先ほど書きましたが、練習の方法(努力の方向)が間違っていれば、ついてくる結果も変わってきます。
手品における練習とは、
大きく分けて2種類あります。
- 現象が出来るようになる練習
- 不思議さを伝える練習
ほとんどの人が、
1の現象が出来るようになる練習ばかりします。
でも、この努力の方向で得られる結果は
「現象をおこす事が出来る」
例:カードを当てる、モノ消す、浮かす、出現させる・・・など
どれだけ練習をしても、得られる結果は、
「現象を起こす」しか出来ません。
現象が起きる≠不思議
私も手品を始めたての頃、手品の本を何度も読み返したり、テレビ番組を録画して何度も繰り返し見たりして勉強しました。
そして、あるとき壁にぶつかるのです。
「現象は起きているのに、友達が驚いてくれない!」
当時の私は、まだ考えが未熟でしたので、驚いてくれなくなった理由を、
- へたくそだから
- 手品のタネがしょーもないから
驚いてくれないんだと安直に考えていました。
そして、頑張って
新しい手品をたくさん覚えて、難しい技法(テクニック・スライハンド)も練習したにもかかわらず、
結果は、

「惨敗」
今までと同じで、ウケませんでした。
- 新しいタネも覚えた。
- 難しい技も出来るようになった
でもウケませんでした。
・
・・
・・・
正直とても悩みました。
「なにが、だめなんだろう。なんで、驚いてくれないのだろう?」
原因は「努力の方向」間違い
私がした大きな勘違いは、
- モノが消える=不思議
- 人が空中に浮く=不思議
- モノが出現する=不思議
- 金属製のわっかがつながる=不思議
と思い込んでいたことでした。
手品を一人で練習していると、特に陥りやすい思い込みの一つです。
手品を演じている人からすれば、
人が空中に浮く=不思議
なんです。
でも、
手品をしない、一般の人からすれば
人が空中に浮く=どこかで支えてる?それとも吊り下げてる?
なんです。
この大きな「意識のズレ」が存在するんです。
まず、この「意識のズレ」を理解する。
その上で、「現象が出来る努力」と「現象を不思議に見せる努力」をすれば、
手品は短期間でも上達していきます。
その反面、「意識のズレ」を理解しない限りは、いくら努力をしても手品は絶対上達しません。
コメントを残す